黒田のため B’zが書き下ろし登場曲 初登板29日お披露目へ

 8年ぶりに復帰した広島・黒田博樹投手(40)の今季の登場曲を、人気デュオ「B’z」が書き下ろした。B’zが個人のために曲を書き下ろすのは初めてで、タイトルは「RED」。黒田とギターの松本孝弘(53)が2月に米国で会食して、意気投合し豪華コラボレーションが実現した。シーズン初登板となる29日のヤクルト戦(マツダ)で初披露となるが、カープ女子もノリノリの「応援ソング」
 メジャーから年俸20億円前後のオファーを蹴って古巣復帰した黒田らしい、「男気」あふれる登場曲が完成した。

 ボーカルの稲葉浩志(50)が作詞、松本が作曲。アップテンポで重厚なロックサウンドに仕上がった。「米国から帰ってきたサムライ」をイメージし、タイトルの「RED」は、チームカラーから付けたとみられる。

 この曲が流れるのは本拠地マツダスタジアムだけで、初回のマウンド登場時と打席への入場時。29日のヤクルト戦でお披露目となる。関係者によると、B’zがこだわったのは、♪WOW WOW WOW…と続くパート。ファンに合唱してもらうのが狙いという。

 今年2月、黒田と松本が知人を介して米ロサンゼルスで食事。これが初対面だったが、関係者は「互いにプロとして話が合い、すぐに意気投合した」と話した。2日後に、黒田が曲の制作を依頼。B’zは今月に入ってから制作を始め、松本は「開幕まであまり時間がなかったが、このオファーはミュージシャンとして興味深く、いい楽曲ができそうな予感はあった」と振り返った。

 B’zはこれまで、世界水泳の「ultra soul」(01年)など、スポーツ大会のテーマ曲を書き下ろしたことはあったが、個人に対しては初。作詞した稲葉は「黒田投手はどんな試合でも粘り強く寡黙に投げるイメージだが、他人には見せないであろう?藤なども想像しながら言葉を選んだ」と説明した。

 黒田は高校時代からB’zの作品をよく聴いていたといい、「世界でも活躍されているアーティストに曲を作っていただいて感謝の気持ちでいっぱい。曲、歌詞とも本当にカッコよくて、一番先にカープを連想するようなタイトルも素晴らしい」とコメントした。オープン戦は3試合に登板し、防御率は1・04で上々の試運転を完了。国民が注目する29日のヤクルト戦に向け、「いいピッチングをして少しでも恩返しができたら」と約束した。