娘の貞操が心配なら、男の多い大学に入れろ

今回は、男子学生の多い大学と女子学生の多い大学では、どちらのほうが性が乱れているのかがテーマです。

ところで、最初にはっきりさせておきますが、私の講義で扱う議論は、専ら実際に人々がどう行動しているかです。私は個人的にも社会全体としても、行動の善悪について論じたいわけではありません。


ですから、性が乱れていること自体の善悪を論じるのではなく、性の乱れのエビデンス(証拠)を知識として得た上で、もし性の乱れを避けたいなら経済学的にどう考えるかということをお話ししたいと思います。

さて、本題に入りましょう。たくさんの男子学生の中にいる女子学生のほうが、「貞操の危機」を感じそうですが、経済学が出す答えは、実は全く逆です。それはなぜかを見ていきましょう。

女子学生が多い大学では、何が起こるでしょうか。

 男子学生が少ないということは、彼氏を見つけるのが難しくなっているということだけでなく、身持ちの固い女性と付き合う男性を見つけられないことも意味します。今夜、誰かと出会っても、数時間のうちにセックスに応じなければ、その男に見切りをつけられてしまうからです。

女子学生が多い大学では、独り身の男をめぐる競争は非常に激しく、ほかの女の子がいそいそとリスクを取るため、セックスの値打ちが下がり、事実上、買い手市場になっていると考えられるのです。

複数のパートナーを望む人は男性42%、女性8%

男女の違いが、女性をさらに不利にさせています。男性のほうが複数の性的パートナーを持ちたいと思っていることを確かめた調査があります。

「今後2年間で、できれば何人の相手とセックスをしたいと思っていますか?」という設問では、女性が平均して1人と回答したのに対し、男性側は平均して8人と答えました。

「同時期に複数のセックスパートナーを持ちたいですか?」という設問に対しては、男性の42%がイエスと回答したのに対し、女性の場合はわずか8%でした。

男性のほうが、女性よりもずっと多くの相手を望んでいることがわかるでしょう。統計的に見て、女性は男性のように、恋愛にバラエティは求めていないのです。

「誰かとセックスするまで、どれだけ時間をかけますか?」と聞かれて、女性で5分と答える人はほとんどいないと思いますが、ある調査では多くの男性が、事もなげにそう答えています。

女性で最も多い回答は、6カ月でした。ほかの調査では、31%の男性が行きずりの相手とセックスするのは楽しみだと答えたのに対し、女性でそう答えたのは、わずか8%にすぎませんでした。

キャンパスで女子のほうが多いと、単に数の上で女性があぶれやすくなるばかりか、男性が優位に立って、男女関係の性質を変えてしまうという調査があります。

米国の大学を対象とした調査で、社会学者マーク・レグネラスとジェレミー・ウェッカーは、女性比率の高い大学では、女子学生はデートやセックスに対して好ましくない態度を示しがちなことを見いだしました。

女子のほうが多い学校と男子のほうが多い学校を比べると、学生のうち女子比率が47%である学校では、在学中に彼氏を持ったことのない女子学生の69%が処女であるのに対し、女子比率60%の学校では54%に減ります。

恋愛対象になる男が少ない学校のほうが、特定の彼氏のいない女子学生は性体験を持ちやすくなるのです。

男子学生が少ないと、彼氏にセックスを待たせられない

在学中に少なくとも1人の彼氏がいたことがあるという女子学生の場合でも、性的に活発な人とそうではない人のギャップは同様に大きいのです。男子学生のほうが多い大学の場合、こうした女子学生の45%が処女ですが、その逆の場合、処女の確率はわずか30%しかないのです。

現在の彼氏が性的関係に入ることを待ってくれそうな場合でさえ、この比率は変わりません。女性のほうが多いキャンパスでは、そうした女子学生の17%しか処女ではありませんが、その逆の場合は30%が処女なのです。

これらのエビデンス(証拠)が示していることは、男子のほうが少ない場合には、女子学生は彼氏にセックスを待たせられなくなるということです。これを見れば、女子学生のほうが多い学校では、カジュアル・セックスもより盛んであることに驚きはないでしょう。

たとえば、女性のほうが多い学校の女子学生で、かつて彼氏がいたが今は独り身である女子学生のうち、過去1カ月以内にセックスをした経験がある学生は27%いるのに対し、その逆の男女比率ではわずか20%です。男が相対的に少なくなると、独り身の女性はより性的に活発になるのです。