だから風邪が治らない!薬剤師は絶対しない「間違った薬の飲み方」3種
冷え込む日が増えてきましたが、風邪はひいていませんか? 空気が乾燥していたり、不規則な生活が続いたり、体力が低下していたりすると免疫力が低下して、風邪をひきやすくなってしまいます。
今回は、薬剤師である著者が、風邪を引いた際の間違った薬の飲み方について解説したいと思います。正しく薬を飲み、早期に症状を和らげましょう。
■そもそも風邪とは?
風邪は、多くの場合ウイルスが原因で発症すると考えられています。免疫力が低下していると、いつもなら体内からすんなり排除できるウイルスでも、体は強力な敵と判断してしまいます。その結果、体は体温を上げウイルスを撃退しようとしたり、粘膜についたウイルスを排泄しようとしたりします。
具体的な症状としては熱が出たり、鼻や喉の粘膜にウイルスがついた場合は咳や痰の絡みや鼻水など、胃腸の粘膜なら下痢や嘔吐として現れます。
すなわち、風邪薬はウイルスと闘っている時のこれらの症状を和らげるための対処療法なのです。
■解熱鎮痛剤の間違った飲み方
薬剤師をしていると患者さんから、「風邪っぽいからとりあえず熱が出る前に、解熱鎮痛剤を飲む」という話をよく聞きます。しかし、熱はウイルスを撃退する力を強化するためにも必要なものです。風邪の初期症状から飲み始めると逆に風邪の治りを遅くしてしまう可能性もあります。風邪薬はツラい症状を抑えるものなので、高熱で苦しい時や頭痛、関節痛が激しい時に服用するのが効果的です。
■抗生物質の間違った飲み方
薬を病状に応じて飲んだり飲まなかったりする方がいらっしゃいます。頓服的には服用してよい薬とダメな薬があります。中でも、抗生物質は、用法用量をしっかり守らなければならない薬です。医師の指示通り服用しなければ、耐性菌が生じてしまう可能性が高いです。耐性菌が生じると感染症が悪化してしまうこともあります。
抗生物質は免疫の低下により、あとから合併症として細菌感染をしてしまった時に効果を発揮します。風邪をこじらせ長期化している時などに必要に応じて使われます。「家にあったから……」という理由で、自己判断で服用するのは止めましょう。
■注意すべき飲み合わせ3つ
(1)水を使わず唾(唾液)で飲んでしまう
喉に薬が張りつき、炎症を起こしてしまうことがあります。
(2)アルコールで飲んでしまう
副作用が強く現れてしまうことがあります。
(3)炭酸飲料で飲んでしまう
特に、解熱鎮痛剤の効果が弱くなってしまうことがあります。
何気なくやってしまっていることはありませんでしたか? まず、一番大切なのは風邪をひかないことです。免疫力を下げる原因は様々です。最近ではストレスも自律神経を乱し、免疫力の低下につながることも多いです。心身ともにゆっくりと過ごす時間を作り、健康的な体を維持したいですね。