<乳頭温泉事故>宿泊キャンセル相次ぐ 市側は安全強調

 秋田県仙北市田沢湖生保内の乳頭温泉郷近くの源泉施設で18日、硫化水素を吸ったとみられる作業員2人と市職員1人が死亡した事故で、市は23日、周辺の温泉施設でこれまでに31組92人の宿泊がキャンセルされていると発表した。事故は源泉管理の現場で発生しており、「施設は安全」と市側は強調している。
 市によると、事故以降寄せられたキャンセルの内訳は、事故現場に近い乳頭温泉郷の7施設で26組78人、事故現場の源泉から温泉をひいている田沢湖高原温泉郷の12施設で5組14人。門脇光浩市長は23日の記者会見で「事故の影響があるかは一概には言えないが、施設は通常通り営業しており安全だ」と述べた。

 市観光課は、平時よりキャンセル数が多くなっているとしたものの、全体に占めるキャンセルの割合やどれくらいキャンセルが増えたかは「分からない」としている。

 亡くなった3人は、無事だった別の市職員1人とともに事故当日現場に入っていた。市は無事だった市職員から聞き取りし、4人は当日午後から現場付近で作業をしていた可能性が高いことを記者会見で明らかにした。午前中から作業していたとの説明を修正した。【山本康介】