奈良・吉野の93歳女性、2700万円相当の救急車を寄贈「お世話になったお礼」

 奈良県吉野町在住の北室福子さん(93)が、県広域消防組合吉野消防署に高規格救急車1台を寄贈した。同署には救急車が4台あるが、更新時期を迎えた1台を、寄贈された救急車と交代させるという。

 高規格救急車は、排気量約2600ccの四輪駆動車。一般の救急車より内部が広く、人工呼吸器などの機器も備えており、走行しながら救急救命士による救命措置を行うことができる。

 高規格救急車は車体価格が約2千万円で、装備を含めると約2700万円に相当するといい、個人による救急車の寄贈は珍しい。北室さんは、「これまで病気やけがで救急車のお世話になったことがあり、そのお礼です」と話している。

 県広域消防組合副管理者の北岡篤・吉野町長は「安全・安心のまちづくりのために使っていきたい」とした。