シャープ、パナに抜かれた?太陽光パネル増強へ

 経営再建中のシャープは、不振の太陽光パネル事業をてこ入れするため、堺工場(堺市)の製造ラインを増強する方針を固めた。

 日本で需要が落ち込んでいるメガソーラー(大規模な太陽光発電所)向けのパネルが売れないため、需要が底堅い住宅向けへの転換を進め、事業の立て直しを急ぐ。

 新ラインで量産するのは、メガソーラー用より効率よく発電でき、住宅向けで主流となっているパネル。発電効率を高めた製品を商品化するという。

 太陽光パネルを含むエネルギー関連事業はシャープの中核事業の一つで、同事業の営業利益(本業のもうけ)は、2014年3月期の324億円から、15年3月期には50億円の赤字になる見通しだ。経営悪化の要因となっており、撤退するとの観測も出ていたが、住宅用に力を入れることで、事業の継続を目指す。

 シャープは太陽光パネルの国内市場で長年、シェア(占有率)首位だった。しかし、最近は住宅向けに注力するパナソニックに追い抜かれたとみられている。