おなかの風邪に朗報、ロタウイルスのワクチンで発生が半減以下に、日本でも注目

 米国疾病対策センター(CDC)のナスリン・アリアバーディ氏らの研究グループが、同センターのモービディティ・アンド・モータリティ・ウィークリー・レポート(MMWR)誌において2015年4月10日に報告している。

 ロタウイルスへの感染は、世界中で赤ちゃんや小さな子どもの重い胃腸炎の原因になっている。2006年に米国においてロタウイルスのワクチンが導入される前、米国の子どもはロタウイルスにかかる割合が高かったという。毎年およそ5万5千人から7万人が入院、41万人が病院で診察を受けていた。

 ロタウイルスには冬から春に流行するという季節性や、地域性もあった。米国の流行は毎年12月から1月に西部で始まって、各地に広まり、4月から5月に北東部で終息するという傾向が見られていた。

 ロタウイルスワクチンの導入後における傾向と季節性の変化を明らかにするため、米国疾病対策センターは、「全米呼吸器胃腸ウイルス・サーベイランス・システム」のデータを中心に検証を行った。

ロタウイルスの流行大幅減

 結果として、ウイルス検出の低下が確認できた。ワクチン導入前の計7年間と比べて、導入後の各年は57.8%から89.9%も下がっていることが分かった。半減以下というわけだ。

 米国の子どもにおいてロタウイルスワクチンが相当かつ持続的に効果を示しているようだ。

 日本でもワクチンは飲むワクチンとして受けられるものだ。定期接種ではなく任意接種なので、希望者が全額を支払って受けられる。一部の自治体では助成金を出している場合もある。効果はいかほどか。日本でも検証してみる価値はありそうだ。