「西武プリンスドーム」“こけら落とし”大打撃 目玉だった岸∨S金子がご破算に

 西武・田辺徳雄監督(48)は22日、左脇腹を痛めた岸孝之投手(30)の開幕オリックス戦(27日)での先発を回避させることを明言した。昨季オフに名称を『西武プリンスドーム』に変更した本拠地での開幕戦を間近に控え、営業的にも大打撃だ。

 3年連続開幕投手を務めることが決まっていた岸は21日の横浜DeNA戦(同)に先発したが、2回で緊急降板。田辺監督は「無理はさせられない。(代役は)牧田もしくは野上になると思う」と無念の表情だ。球団関係者も「相手も相手だから…」と頭を抱える。

 相手のオリックスも当初は昨季沢村賞に輝いた金子が先発する予定だった。岸vs金子という好投手同士のマッチアップとなれば、ファンの興味を引いたはずだ。

 金子は昨年11月に右ひじ骨棘除去手術を受けスロー調整中で、今季オープン戦には未登板。それでも、一昨年には右ひじの不安からオープン戦に登板しなかったにも関わらずぶっつけ本番で開幕投手を務めた経験があり、首脳陣はギリギリまで可能性を探っていた。しかし、20日になって森脇監督が「27日(開幕戦)はない」とギブアップ。代役は来日3年目のディクソンが務めることが濃厚となった。

 “野球人の元旦”といわれる開幕戦。岸vs金子からともに代役への変更は寂しさを拭えない。日曜のこの日も、西武がDeNAを迎えた本拠地の観客は7502人。他球場が3万1255人(マツダ)、3万99人(東京ドーム)、2万6886人(ナゴヤドーム)、2万1619人(京セラドーム)、1万7305人(神宮)を動員したのに比べ、苦戦した。

 試合後、観客が去った後の西武プリンスドームでは、開幕セレモニーのリハーサルが行われていた。エースを欠いた現状で、これから改めて開幕ムードを盛り上げることができるか。